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意識が遠くなる。
今までにないぐらい気持ち良くて、満たされて、もっと重森に触れていたいのに。
意識が定まらない中、グイッと引き上げられるような感覚に、失いかけた意識まで引き寄せられた。

「気付いた?」

「俺…。」

「ちょっとだけ飛んでた。」

いつの間にかベットの上で、体勢はさっきと同じまま重森の上に跨り、グッタリともたれ掛かっていた。
こんなに触れて、体温も、鼓動の間隔すら感じられるのにまだ足りない。
顔の向きを変え、甘えるように重森の首に鼻をぐりぐり擦りつけた。

いい匂いがする。
もうあの香水の香りはしないけど、香水よりも甘く香り、俺を興奮させる。
その匂いに誘われて唇を押し当てながら、強請るように夢中で舌を這わせた。

「…はぁっ…んんっ…。」

それに反応し、ずっと繋がったままだった中の重森と、俺のモノがまた熱を持ち始め、疼きだす。
こうして夜が明けるまで、何度も互いを求め続けた。




『誰よりも、幸せになりたい』

そう思ってた。
でも今は、自分だけじゃなく、重森とそうなりたい。
だから、今度は壊さないように少し欲張ってみようと思う。
もっと自分の事を重森に伝えて、俺も重森を知って、そうやって少しずつお互いを理解していきたい。
この先もずっと、2人で生きて行けるように。





『重森の傍にいること』

これが、俺の幸せ。
きっと俺は今、世界一幸せなんだと思う。


世界中の誰よりも。




end




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あきゅろす。
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