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恋愛リアル
イチ
−夏樹 Side−

「なっちゃん!服着て!!」

「…あ、…ああ。」

久々の激しいセックスに満足して、動けなくなった俺は敬吾のベットを占領し、1人で眠っていたらしい。
目が覚めると隣に敬吾の姿がなく、リビングの方から声だけ聞こえてきたので、電話でもしてるんだと思い、気怠い身体をゆっくり起こすと、何も身につけないまま俺はベットから抜け出した。
色合いのせいか重苦しい雰囲気の廊下を歩き、ドアが開いたままのリビングへ入ると知らない奴と敬吾が話ていて、俺に気付いた敬吾がアタフタしだした。
俺は別に裸見られてもどうってことないけど、さすがにこの状況はマズイかな?全裸で全身キスマークだらけの男が居たら、かなりの大問題だろう。

「あれ、誰?」

「2番目の兄ちゃん。」

マジで!ヤバイじゃん!!
やっぱこれ、家族会議とかになるんじゃねぇの?
それでお前、めっちゃ怒られるんじゃね?

「…悪かった。」

敬吾の部屋に急いで戻され、敬吾に服を大人しく着させられながら気分がシュンとなる。
もし俺の軽率な行動のせいで、コイツが傷付いたら…。

「大丈夫だよ!」

そんな俺の心配を笑い飛ばして、唇に触れるだけのキスをする。

「さあ、行こう!ハル兄に俺の可愛い恋人を紹介しなきゃね!!」

そう言って敬吾は俺の手を取り、再びハル兄が待つリビングへと向かう。
俺はこれから起こるであろう不安の予感よりも、敬吾の優しさや『恋人』という響きの方にドキドキさせられていた。

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あきゅろす。
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