恋愛リアル
ロク
「わぁーん!柊ちゃーんコワイよー。助けてー!」
「うわぁっ。」
あまりの恐怖におもいっきり小さな天使に抱き着く。ハァー。やっぱり落ち着くな。
「ほっ本田くん。もしかして夏樹と何かあったの?」
「あったなんてもんじゃないわ!」
柊くんにあの日の出来事を話すとだんだん表情が険しくなっていく。
「断ったのって本田くんだったの!…そうか、それでさっきあんな目したんだ。でも何で今頃なんだろう?」
「そうだよ!何で?普通断るだろ!相手は男だし、誰とでもヤる奴俺嫌いだし。」
「…そうだよね、男だもんね…。あの夏樹の誘いを初めて断ったって凄いね!でもあの目は相当ヤバイかも。覚悟した方がいいと思うよ。」
ちょっと…断ったの初めてって?俺が?ってかみんな今までの奴はヤッたってことか!!
「あのー覚悟って…?」
「本田くん絶対夏樹に狙われてると思う。」
ヤッパリソウナンダ…。
「ギャー!!嫌だよー!コワイよー柊ちゃーん!」
「いっ痛いよ!本田くん」
絶対嫌だ!平和な高校生活を送りたいんだよ俺は!!
思わずさっきより強い力で柊ちゃんを抱きしめる。
ゴツン―
「ってぇー!」
頭上から物凄い衝撃が与えられ、上を見上げると殺気を出した恐ろしい顔の悪魔が立っていた。
「コイツにさわんな!」
俺からひょいっと柊ちゃんを取り上げると自分の腕の中に収める。
「柊は俺のだ!!」
はぁ?お前今なんつった?今までそんな事誰にも言ったことなんてなかったじゃん。
何だよその独占欲丸出しなお前は!
「さっ朔弥!」
突然の出来事に慌てふためく天使を見ると顔を真っ赤に染めている。
おいおい…。なんか最近朔弥の様子が変だと思ったらそういう事か?
合コンの誘い断るし、女とも遊ばなくなったみたいだし、柊ちゃんには優しくなったし。
だとしたらすげぇ変化じゃねえの?成長したって事か。
俺が思うに柊ちゃんも朔弥の事意識しちゃってるみたいだし。
まあ、いいんじゃない。
「んもう。ちょっとぐらい良いじゃない。朔ちゃんってば乱暴者ね!」
「あ゛?テメェいい加減そのキモいのやめろ。」
「あら、せっかくいい事教えてあげようと思ったのに。やーめた。」
これ以上からかうと本気で怒るからこれくらいにしとこ。
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