恋愛リアル
ゴ
―夏樹 Side―
ムカつく!
ムカつく、ムカつく、ムカつく、ムカつく!!
何なん!?アイツ!!
ヘタレにもほどがあるっつーの!!
何でキスもセックスも無いの?
それどころか、あれから一度も触れられてねぇし。
マジありえない!!
こっちは欲求不満で死ぬっつーの!!
ってか俺らってヤりたい盛りじゃねぇの?
そういう年頃じゃん?
好きな奴が隣にいたら、ムラムラするじゃん!!
なのにテスト勉強だって。
インポか!?コノヤロウ!!
それとも…。
1回男抱いてみて違うなって引いた…のか?
「恋人とか、言いやがったくせに…。」
確かにアイツは…敬吾は兄貴の前で俺を『恋人』だと言った。
あれは、嘘なのか?
「ああー!クソっバカ敬吾!!」
ったく、何で俺がこんなにイライラしなくちゃなんねぇの?
喚きながらドタドタと大きく足音を立てて廊下を歩き自室にたどり着くと、ベッドへ鞄と共に怒りを投げつけた。
何人かうちの弟子にギョッとした目で見られたけど、そんなの気にしてらんねぇよ。
怒りでカーっと頭が熱くなってるはずなのに、胸の奥がズンと沈んで震えがきそうなほど寒い。
誰かに温めて欲しいけど、その誰かは誰でもいいわけじゃないのはもう痛いほど理解してしまったから、今までみたいにごまかせそうにないけど。
でも、もしこのままなら…。
「…クソっ!!」
誰かのモノになるって、難しくて結構めんどくさいのな。
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