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恋愛リアル
ジュウ
あれからね、本当に夏樹が消えちゃったんだ!!
というか全く会えなくなったんだ。
柊ちゃんの話では学校には来てるみたいなっだけど。一度うしろ姿を見かけて追いかけたんだけど、すぐに見失った。
こんな事になるなら、あの日夏樹の家まで行ってちゃんと謝っておけば良かった。
そうしたらきっと、こんな風にはならなかったんじゃないかって思う。
まさか、ここまで怒っているなんて…会えなくなるなんて思いもしなかった。
離れてみて、とんでもなく夏樹の事が好きだった自分に気付かされた。
でも…何もしないまま、無くしてしまった。
もうきっと戻って来てはくれない。
きっと俺なんかの代わりは山ほどいるんだ。
今頃誰かと…。そう考えるだけで、胸の奥からジリジリと焼けるようにムカついてきて、ものすごく腹立たしい。
俺はいったい誰に、何に怒っているんだろう?
夏樹に?それとも、何も出来なかった自分に?
正直、何に対してなのかも分からない。
けど、夏樹が他の誰かといるのを想像するのも嫌なんだ!!

どうしても夏樹と会って話がしたくて、何日も捜したけど結局会えないまま。
家にも訪ねてみたけど、留守だったみたいで誰も出ては来なかった。
早く会わないと。あと数日で夏休みに入ってしまう。
このままじゃ絶対ダメだ!ちゃんと夏樹と話さないと!!

「柊ちゃん…お願いがあるんだ。」

本当は自分の力で何とかしたかった。けどそれも無理だと思い、心苦しいけれど、夏樹が一番話を聞いてくれそうな柊ちゃんに頼むしか方法が見つからない。
隣にいる悪魔から送られる怒りの視線を気にしながらも、どうにも出来ない俺には天使に必死にすがるしか、もう道は残されていなかった。


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あきゅろす。
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