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キミのトナリ
G
昨日は一睡も出来なかった。最近は緊張しっぱなしであまり眠れていないけど昨日は特に。

今頃朔弥は女の子と楽しく笑っているのだろう。
そればかりで頭がいっぱいになり溢れてくる不安と僕じゃ駄目なんだという絶望感で押し潰されそうだった。
外が明るくなって、ようやく眠れなかった事に気付き寝不足の重い体と曇りきった心を引きずりながら学校へ向かった。


「おっはよー!あれ?柊ちゃん?なんか顔色悪くない?」

教室へ入ると朔弥といつものように話しをしている本田君がいつもと違う様子の僕に気付いて顔を覗き込む。

「そっそう?」

鼻がくっつきそうなぐらい本田君の顔が近付いて来てびっくりした。

「1時間目から体育だし休めば?」

そっけなく言う朔弥の声に背をむけて「大丈夫」と返すのが精一杯で顔なんて見れない。
今にも泣きそうな自分をひっしに押さえながらジャージに着替える為、更衣室へ急いだ。






今日の体育はバスケ。
僕はあまりスポーツは得意じゃないから朝から余計に憂鬱だ。

2組と合同だからハイテンションな本田君の声が体育館に響く。
本田君の話だと二人とも中学でバスケ部だったみたい。
それにしても朔弥はずば抜けて上手い。

僕は二人とは違うチームになったので、さっきから朔弥が何度もゴールを決めてくのをコートのすぐ側に膝を抱えて座り、じーっと見つめていた。

「立花危ない!」

「え?」

急に誰かに呼ばれたのと同時に、頭に強い衝撃が走って目の前が真っ暗になった。

「…ゥ…シュウ…。」

朔弥に名前を呼ばれた気がしたけど返事をする事も出来ず、僕はそのまま意識を手放した。

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