キミのトナリ
E
もう絶対に会えないと思っていた彼と偶然にも再開することが出来て、今日一日で急速に距離が縮まった。
背がすごく高くて、かっこよくて、低い声してて、笑顔が優しくて。
これは今まで僕が彼にについて知っていた事。
今日はもっと知る事ができた。
『霧島 朔弥』という名前。
普段はムスっとしてて怒ると黒オーラ出して余計恐くなる事。
ツンツン頭でお姉キャラの友達がいる事。
そして…本当は優しい人なんじゃないかって事。
僕に笑ってくれた。
ポンって頭触ってくれた!
「手…大きくて温かかったな。」
いつものようにベットに横になり膝を曲げて丸くなり、触れられた感触を思い出す。
「しあわせ!」
毛布を抱き枕の様に丸めてぎゅーっと抱きしめる。
こんなに満たされた気持ちになるのは初めてだった。
明日から学校へ行けばまた朔弥に会える。
そう思うだけで、僕の心臓はどんどん大きく早く鼓動する。
この幸せがずっと続くならただ朔弥の姿を見れるだけでいい。
また出会えて、こんなに近づけて。奇跡みたいな事が起きたんだもん。それだけでいい。
好き…。好きだよ。
無理矢理心の奥に押し込んでいた想いはあの時よりもさらに大きく膨らんで、もう隠し様がない。
激しく高鳴る心音のせいで、なかなか眠る事が出来そうになかった。
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