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その他小説
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 こう言うお子様染みた行動も日常茶飯事で。

 なんでこんな人がモテるんだろう?と、心の中で首をかしげながらも。

 あえて反論もせず命令に従う。


「高城様、それじゃ玉子焼きからで良いですか?
 はい、あーんして下さい?」

「ん……」


 高校に入学して10ヶ月ちょい、お昼ごはん担当になって約半年。

 いい加減、彼の好みも覚えた。


 普段はお弁当をはさみ、向かい合って座るのだけど。

 流石に食べさせる時は近づかないと難しい。

 いつもの定位置ではなく、大抵は高城様の右隣に移動して僕はせっせとご奉仕する。


「甘い……」

「確か高城様は甘い玉子焼きの方がお好きでしょう?
 前に塩味のを作った時は、怒って20分ほど口をきいてくださらなかった癖に」

「………」


 しまった、イヤミに取られたか?!

 軽く眉を寄せる高城様に、僕は内心慌てた。

 下手に高城様の機嫌を損ねると、後でめちゃめちゃ怒られるんだよね!?


 誰にって、高城様の族の奴らに。

 ちなみに前述のクラスメイトの酒田も所属している。


 彼のポジションは、何故か僕の護衛とかで。

 僕が高城様と親しい事で、族同士の抗争に巻き込まれる可能性があるからと笑いながら話していた。

 そうでもなければ、クラスの人気者が僕みたいな平凡を構うはずがないのだ。



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あきゅろす。
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