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その他小説
11


 そんな笑えない若さゆえの過ちを経て。

 心を入れ替えた俺様は、仲間の信頼を取り戻そうと躍起になっていた。


 対立していたチームとの抗争に決着が付いたのは約1年後で。

 その頃には俺様に愛想を付かして一度離れた仲間の半分ぐらいは戻って来ていた。


 普通なら一度離れた奴らをもう一度受け入れたりなどしないのだろうが。

 事情が事情だったため、残されたメンバーは暖かく迎え入れた。

 それこそ元幹部だった奴らに対しては、俺様が頭を下げて迎えに行った事もある。


 そんなこんなでBrightness内での俺様の立場が回復して来た頃に。

 俺様は尚人との再会を果たした。


***


 あれは確か2学期が始まってすぐの頃。


 久しぶりに朝からまじめに学校に行ったものの……。

 まだまだ夏休み気分が抜けない俺様は、半分寝ぼけてふらふらと移動中に偶然出くわした酒田に呼び止められた。


「高城様、徹夜明けっすか?目の下にクマ出来てますよ??」

「あ〜〜、さっきまで琢磨達と徹マンしてた。
 朝から電話で竜之介に、3限目だけは出ろって呼び出されたんだよ……」

「それなら2限目が終わる頃に声掛けますから、少し休まれたらどうっすか??」


 そう言ってくすくす笑うコイツは、チーム内でも整った顔をしていて。

 同じ武闘派なのにその一見柔和な顔立ちのお陰で、クラスでも浮くことなく普通に溶け込んでいるらしい。

 どうやら移動教室中なのかすれ違うクラスメイト達に、暢気に手を振る酒田が少しだけ羨ましく思えてしょうがなかった。


 俺様なんて噂に尾ひれが付き捲って、クラスどころか学校内でも完全に浮いているというのに。

 実際チーム内でも俺様を敬うのは、力が正義だと思っている奴中心だから……。

 まわりを固めるのはどうしてもむさ苦しい奴らが多くて。


 更に言えば笑えない過去の出来事の所為で、俺様に媚びようとするなよっちい奴らは全員Brightness関係者に駆除されていた。

 まぁ、それは自業自得だから仕方がない。

 実際俺様も、好きでもない奴らとだらだらと付き合う虚しさは十二分に痛感していたのだ。



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