その他小説
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そうして次の日の夕方。
俺様は軽く変装をして、尚人の通学路で待ち伏せしていた。
ここら辺の界隈では有名な俺様が、そのままの姿で立って居ては目立って仕方ないのだ。
ただ単にケーキの礼がてら、婆やが絶賛する尚人と直接会話してみたかっただけだと言うのに。
途中で仲間に出くわそうものならば、そのまま居座るのは確実で。
逆に尚人と会話中に敵対する奴らに見つかった日には、とてつもなく面倒な事になるはずだった。
なので、顔には大きなマスクとグラサン。
日光の下で美しく輝く俺様自慢の銀髪は、家にあった親父のハンティング帽のなかに無理やり押し込んだ。
だがしかし。
どうやらそれだけでは、俺様の持つオーラは隠し切れなかったらしい。
電柱の影でじっとしているにも関わらず、通り行く人々が遠巻きにじろじろ見てきたのだ。
そんな居心地の悪い思いをしてまで待って居たと言うのに。
当の本人はダチと暢気に会話をしながら、俺様を素通りしていった。
どうせなら一人になったところで声を掛けようと、静かに尾行していると。
途中で背後からポンと肩を叩かれた。
「あ゙ぁっ、俺様の邪魔すんじゃねぇっ!?」
条件反射的に手を振り払い、振り返った先には……見慣れた青い制服が。
「署に通報があってね、あっちで話を聞かせてくれないか?」
何も疚しいことはなかったと言うのに……。
不穏な空気を感じ取った俺様は、そのポリ公の隙をつきダッシュで逃げ出した。
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