[携帯モード] [URL送信]

その他小説
10


 そうして、高城様専属パティシエに任命された僕は。

 次の日から、2人きりで昼食を食べる様になった。


 昼ごはんをデザートだけで済ませようとする高城様に、それならお弁当も作ると提案したのは僕で。

 あれは嫌い、コレはこうしろと。

 改善要求を突きつける高城様の望むままに作っているうちに。

 いつの間にか僕の料理の腕はめきめきと上達していって。


 普通の高校生の趣味が、お菓子作りと料理ってどうなんだろう?と思う時もあるけど。

 たまにおいしいと言われるとやっぱり嬉しくて。

 たとえパシリでも良いかなぁ?と思う僕も、きっと父や姉と同じお菓子職人の道を歩むのだろう。


 そんな事を考えていると。


「……明後日はどうするんだ?」

「へ?あっ、すみません。
 もう一度お願いします、ボーっとしてました…っ」


 僕がそう聞き直すと、途端に高城様は不機嫌になった。


 うぁああ…っ、これは久々にマズイかも!?

 最近、酒田もSっ気に目覚めたとか言ってたのにっ!!


 僕が聞いてもいないのに、今度のお仕置きはコレで行くよ?等と語る酒田は、絶対友達なんかじゃないよね!?


「申し訳ありません…っ、何でもリクエスト聞くんで許して下さい…っ」


 慌てて、僕がそう懇願すると。

 暫く間を置いて、高城様がボソリと呟いた。


「……チョコなら何でも良い」

「あーー、はい。了解です…っ」


 目の前の高城様だけじゃなくて、僕もきっと真っ赤になっているんだろうなぁ?




──そんな2月のお話。


 
□■□■□■□■□

ご意見・ご要望お待ちしてます
(空白でも可)



[*前へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!