青蓮学園物語
12
そう言えば。
もしかして僕も怒らせたんじゃないの??
僕は昼休みの自分の態度を振り返る。
心配している皆を振り切って、教室を飛び出して。
先に用事終わらせて来ると言いつつ、すでに予鈴まであと10分ぐらいしかなかった。
考えてみたら、今日は午後から生徒総会があって。
予鈴と本鈴の間の10分間は、第一体育館までの移動時間として考えないと。
ここから教室まで、走っても5分はかかるから……。
もう直接行った方が早いよね??
慌てて僕は携帯を取り出し、優に電話する。
こういう連絡は余裕を持って出来るだけ早めにしろと、常日頃から雅史に言われていたんだよね……。
──何かあったのか春樹?校内で電話なんてかけてきて?
『あ、優?あのね…っ』
「ぎゃああああ!!相川、お前…っ、何してるんだよ!?」
さっきまで智兄と冷戦状態だったのに……。
僕の行動に気付いた蓮見先生が絶叫した。
その声のボリュームに驚いた如月さんが、蓮見先生の口を押さえたのを目にしながら僕は会話を続ける。
『ごめん、ちょっと周りが煩くて』
──今の声って蓮見センセだよね?
『うん、僕が急に何も言わずに電話かけだしたから、びっくりしたみたい』
──それは……普通誰でも驚くんじゃないのかなぁ?
『だって時間がなかったから…っ。
どうも話が長引きそうだから、僕は直接ここから第一体育館行くって連絡だったんだけど…っ』
──了解。他には?目の前に佐藤も居るけど何か伝言ある?
『心配かけてごめんなさい、今度ちゃんと説明するから…って皆にも』
──言い難い事ならあえて聞かないけど。その場合は1週間以内に自分で何とかするようにね?
『うんうん、頑張るから…っ』
その後2,3言葉を交わしてから、僕が電話を切ると。
それまで無言だった目の前の3人が、一斉に息を吐いた。
「はぁ…っ、春樹って流石と言うかなんと言うか……」
「相川の場合、わざとじゃないのが逆に凄いな」
「脅かすなよ……夏目に渡すのかと思って本気で焦っただろ!?」
『え?』
どうしてみんな、呆れた顔で僕を見るんだよーーー!!
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