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青蓮学園物語
11
 それまで様子を黙って見ていた智兄が口を開く。


「って事は、元々春樹と別の話をするつもりが。
 偶然如月ちゃんから転校の話を聞いて、慌てて俺まで呼び出したって事ですか?」

「すまない、どうもそうらしいな……」


 申し訳無さそうな如月さんの態度を見る限り、多分如月さん経由で智兄に連絡があって。

 その内容が僕に関する事とあれば、よっぽど重要な用事でも無い限り、智兄が呼び出しに応じない訳がないのだ。


 智兄の性格からして、そう言う風に足元を見られるのは大嫌いだろうから……。


「春樹が情緒不安定なのは、いつもの事なんでお気になさらずに。
 家庭の事情の方は俺が責任を持って対応しますので、センセは知らなかった事にして結構ですよ?」

「ほら、一応担任だから、そう言う訳にも……」


 笑顔できっぱりと拒絶した智兄の態度に、蓮見先生はうろたえながらも反論しようとしたのだが。


「それなら俺が直接彼と話しますよ?
 面倒臭がりの貴方が、自発的に生徒のために働くなんてありえないんですから。
 面白そうな話以外でセンセが動く時は、大抵金子君が絡んでるんでしょう?」

『何でそこで優が出てくるの??』

「いやいや、それは良いから!!
 これ以上、今のアイツを刺激したらえらい事に…っ」


 智兄の口から優の名前が飛び出した事にも驚いたが。

 蓮見先生の態度を見る限り、どうやらその台詞が事実らしい事に僕は改めて驚愕した。


 えぇぇ…っ、蓮見先生って中等部では一番の権力者って噂じゃなかったのか??

 その蓮見先生を手先の様にこき使える優って、一体何者なんだーー!?


 今まで意識した事なかったけど。

 そう言えば優って陰陽師の末裔って言ってたよね?? 

 もしかして、言う事聞かなきゃ呪うぞ!?とか言って脅しているのだろうか???


 特に今ってブラック優モードだから……。

 蓮見先生が下手に反抗したら、きっと恐ろしい目に遭うに違いないよ…っ。



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あきゅろす。
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