青蓮学園物語
9
演技派な2人から目を離し、僕は蓮見先生に向き直る。
『それで、大切な話って何だったんですか??』
行儀が悪いけど、少々口がモグモグ言ってるのは許してもらおう。
すでに昼休みは半分以上過ぎていて。
会話と並行して食べないと時間がないんだよーー!
そりゃ、すぐに考え込む僕が悪いんだけど…っ。
教室を飛び出してからここに来るまでにも、かなりの時間ロスがあって。
話の長さによっては、放課後に持ち越してもらおうかな?等と考えていると。
「あ〜〜、たまには教師らしい事しようと思ってな?
最近前にもましてお前の様子がおかしいと頻繁に報告入るから、こっちで勝手に調べたらだな……」
『ふぁあ?』
は?と問いかけたつもりが、咀嚼中だった所為で妙に間抜けな返事になってしまう。
そこにコーヒーを入れた如月さんと智兄が戻ってきた。
「相川、俺が問題当てても全く無反応だっただろ?
目開けたままで寝てるのかと思えば、急に無言で涙流しだすし。
委員長の金子にはそっとしとけって言われるし……」
苦笑気味な如月さんの台詞に、僕は本気で驚いた。
えぇっ、僕、授業中も泣いてたの!?
もはやそんな自覚もなかった。
「タイミング的に理由はアレしかないと思ってな?
ちょうど蓮見から聞かれて、申し訳ないけど話させてもらったから」
「あぁ、だから俺も呼ばれたのか……」
そうだと頷く如月さんに、智兄はやっと納得顔になった。
アレって何?
そう僕が問いかけようとした時。
蓮見先生が焦りを隠そうともせず、僕に詰め寄ってくる。
「それで、本当に相川は転校する気なのか!?
非常に困るぞ!そんな事を急に言われてもだな、俺達にだって都合ってもんが…っ」
『「「は?」」』
僕が転校して困る俺達って、一体誰なんだよーーー!!
この反応を見る限り、それが智兄と如月さんでない事は明確だった──。
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