青蓮学園物語
6
はぁ…っ、この状況を雅史が知ったら、何て言うだろうか?
何度目かの溜め息を吐きながら、僕は考える。
悪いと思ったのなら、とりあえず皆に謝れ?
上手く取り繕える自信がないのなら、最初から下手に隠すな?
泣いただけじゃ何も解決しないんだぞ?
自分がされて嫌な事はするな。
一度失った信用は、そう簡単に取り戻せないんだから……。
雅史の言いそうな台詞なんて、少し考えただけで次々と浮かんでくる。
それだけ繰り返し何度も言われている証拠だよね?
なのに僕の行動にはいつまで経っても全く反映されなくて。
現に僕の涙腺はとっくにぶっ壊れたままだった。
『こ…っ、これじゃ…っ、ひっく、先生のところにも、いけないよ…っ』
視聴覚準備室まであと30mぐらいなのに。
誰も通らないのを良い事に、特別教棟の廊下の真ん中で僕は蹲った。
とりあえず泣き止まないと…っ。
こういう時には、いつもどうやって止めてたんだっけ?
「いい加減泣き止まないと縁切るぞ?それとも……」
『え……?』
タイミング良く聞こえてきたその台詞は、雅史の口癖の1つで。
僕は弾かれた様に顔を上げた。
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