青蓮学園物語
4
中身を確認すると、クリームパンとサンドイッチが入っていて。
「佐藤とどこかで食べて来い。
蓮見センセの方には、俺から断りの連絡入れるから」
『えっ、これ何?』
僕は首を傾げて問いかける。
「今日はもう食堂行くの無理そうだったから、さっき購買で買って来た。
俺達はこのまま教室で食べるから、春樹はちゃんと佐藤と仲直りして来い」と優。
その若干冷たい声に、楓は苦笑しながら声を掛けてくる。
「春樹、午前中ずっと変だっただろ?
先生が話しかけても返事しないし、たまに何か呟いてるし、突然涙ぐむしで皆心配してたんだぞ?」
『ぇ…っと、その、翔太は……あまり、関係ないんだけど…っ』
「「は?」」
ど、どうしよう??
元の生活に戻るのが嫌だとか、智兄に無視されてる気がして悲しかっただなんて言えないよね!?
どちらもまだ決まった訳でもないのに、下手に口にすれば話が拗れるのは目に見えていた。
パニックで頭が真っ白になる僕に対し。
優と楓からは、きちんと説明しろオーラが出てる気がするんだけど…っ。
さらに翔太まで来るとなれば、言い逃れる自信がないよーーー!!
上手く誤魔化すにしても、僕の脳裏には1つしか方法が浮かばなくて。
『僕、今のうちに視聴覚準備室行ってくるよ…っ。
先に用事終わらせてから、ゆっくり話した方が良いよね!?』
この際、少し時間を置いてその間に言い訳を考えよう。
慌ててパンを抱きしめたまま、席を外そうとする僕の背中に。
「はぁ?センセの話は別に放課後でも構わないはずだ」
優がそう告げたのが聞こえたけど、僕は足を止めなかった──。
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