青蓮学園物語
3
うーん、もう僕で遊んでも面白くないって思ったのかな?
それとも僕が本気で反抗した事で、飼い犬に手をかまれた気分になったのか?
うぅ…っ、それならそれで、別に良いんだけどね……。
僕は小さく唸りながら、机にうつ伏せた。
この学園に来るまでの僕が智兄と縁が切れたと知ったら、まず間違いなく大喜びしたはずで。
なのに、この喪失感は一体何?
父さんを亡くした時や、翔太と喧嘩した時のような直接的な悲しみじゃなくて。
考えれば考えるほど、じわじわと締め付けられるような……。
もしかしてコレが智兄の作戦なのか?
先に音を上げて、僕の方からごめんなさいと言い出すのを待ってるの?
たとえそうだとしても。
今にもあふれ出しそうな涙を必死で我慢しながら、僕は内心憤った。
戦う前から僕の負けは確定しているんだから、こんな風に意地悪しなくても良いのに!
『絶対謝るもんかーーーー!!』
そう叫んで立ち上がった瞬間。
教室に残って居た全ての生徒が、一斉に僕を注視した。
「まぁ、良いから座れ。
今、久我が佐藤呼びに行ってるからな?」
よしよしと諭されるように、隣の席に座る楓に言われて、僕は我に返る。
『あ、あれ……っ?』
「はぁ…っ、心臓に悪いから急に叫び出すのは止めろ」
どうやら楓と一緒に、優も僕の様子を伺っていたらしい。
呆れ顔のまま、手にしていた袋を僕に押し付けてきた。
[振り返る][様子を伺う]
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