青蓮学園物語
7
本当は聞いてなかった等とは言えず、表向きはきっちり否定した僕に。
優は訝しげな目を向けて来たけれど……。
貼り付けたような笑顔で、やましい事がないアピールをする僕の態度に。
優は大きな溜め息一つ付いた後、追及の手を緩めた。
「一応ね、春樹にも挨拶ぐらいはしてもらうから。
うちの出し物の主役だって事、忘れたとは言わせないよ?」
『えぇっ!?それは本当に聞いてないよ…っ』
「まぁ、クラスと名前と配役名に、一言抱負添えたら良いだけだから。
春樹の場合、少々ボケてても誰も文句言わないから安心していいよ?」
笑顔で暴言を吐く優に対し。
どういう意味なんだよーーー!!と突っ込み返す前に。
「全員居るかーー?面倒くさいから出欠は取らんぞ??」
タイミング悪く、担任の蓮見先生がやって来た。
何事もなかったかの様に、号令をかけながら自分の席に戻る優を見送り。
きっと優も疲れが溜まっているんだろうと、僕は割り切る事にした。
ここ1週間ほどの様子を見る限り、優はずっと黒いままで。
元クラスメイトの翔太曰く。
青蓮祭が終わる頃には、元に戻るんとちゃうか?との事だった。
そうだよね、ずっと良い人やってるのも疲れるよね?
本質は通常とそんなに変わってないんだけど。
言葉の端々に本音がボロボロと飛び出す優の態度に。
クラスメイトも慣れているのか、別段気にも留めてない様子だったから……。
[振り返る][様子を伺う]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!