青蓮学園物語
6
慌てて非常食代わりのシリアルビスケットをかじりながら、部屋を飛び出した僕達は。
なんとか予鈴がなる前に2−Aの教室の前まで到着した。
だけど普段以上に早足だった所為で、呼吸が荒いよ…っ!!
ぜいぜい言いながら軽く汗を浮かべる僕とは違い、翔太は息一つ乱してなくて。
「ほんならハル、また午後になぁ〜〜?」
そう手を振って教室に消える翔太を見送り、僕も2−Bの教室に入る。
級友達と挨拶を交わし、自分の席に着いてやっと呼吸が整って来た頃。
僕は別れ際の翔太の台詞を反芻していた。
『あれ?午後に何があるの??』
付き合いをオープンにする前と比較して、翔太と昼休みを共に過ごす日は増えたけど。
今日はお互いクラスの友人と過ごす日で。
さらに言えば、外は秋晴れの良い天気だから、翔太の部活は休みになりそうにもなくて。
途中でどちらかが逢いに行かない限り、今日は翔太が部屋に戻るまで顔を見ることはなかったはずなのに。
「今日は生徒総会だよ?
その後、青蓮祭のチーム毎に集まって初顔合わせがあるって、昨日連絡あっただろ?」
『え、あ…っ、そうなんだ……』
聞いてなかったのか?と呆れたように問いかけてくる、うちのクラス委員長様の台詞で。
知らないうちに疑問を口に出していた事に気付いた僕だった。
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