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青蓮学園物語
5


『はぁ…っ、もう良いよ、翔太』


 溜め息と共にそう呟いて、既にセット済みの翔太の頭をぐしゃぐしゃに撫でた。

 それくらいの嫌がらせぐらい大目に見てよね?


「もう良いってどっちの意味やねん……」


 それでも不安そうな翔太を安心させる為に、僕は意識して今日初めてとなる笑顔を浮かべると。


『うぁ…っ!?』


 途端に下から引っ張り寄せられて、僕は体勢を崩した。


「ホンマごめんなぁ??
 ハルが嫌がった事は、二度とせぇへんって約束するから……」


 そのまま翔太に抱きかかえられ、ゴメンなさいとおはようのチュウを受けている間。

 結局些細な喧嘩ぐらいじゃ、普段とあまり変わらない事に気付いて内心苦笑する。


 なんだかんだで、翔太が僕を甘やかしまくるのと同じで。

 僕だって翔太に対しては、すぐに流されちゃうんだよねぇ??


 途中からはもう何のキスなんだかもわからずに、ただただ求められるままに唇を重ね続けていた。


 そんな風に時間も忘れて、仲直りのスキンシップを繰り返しているうちに。

 ちゃんと起きて準備したのにも関わらず、僕達は食堂に行く時間がなくなってしまったのだった。



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