青蓮学園物語
4
──そして、3分後。
「ホンマごめんって、ハル…っ!!
俺が考えなし過ぎやったわ。
いくらなんでも、目ぇ覚めたらえぇってもんとちゃうわなぁ……?」
『………』
「堪忍してや、もう二度とせぇへんから…っ。
明日はもっとちゃう方法考えるし、なっ?なっ??」
『………』
珍しく本気で怒っている僕に対して、平謝り状態の翔太と。
全く口を利かないまま、のろのろと着替える僕が居た。
そりゃ警告を無視して、布団にしがみ付いていた僕も悪いかもしれないけど。
だからと言って、やって良い事と悪い事があると思うんだよね!?
確かにね、翔太の言う通り完全に目は覚めたし。
更に毎朝対処に手のかかる僕の息子は一瞬で力を失くした。
一石二鳥と言えば、そうなのかもしれないけど……。
だけど一緒に僕の寿命まで縮んだ気がしてしょうがないんだけど…っ!?
その上、時間が経てば経つほど。
こうやって怒っているのがバカバカしくなるような内容で。
この状態で食堂に行ったとして、誰かに喧嘩の理由を尋ねられても困るものがあるのだ。
ネクタイを締め終えた僕は。
無表情のまま、ちらりと様子を伺うと。
僕の足元に座り込んで、完全に八の字眉になった状態の翔太と目が合う。
『「………」』
はぁ…っ、ダメだ……。
久しぶりに怒られてるラブの顔を思い出したからっ。
普段は羨ましいぐらいに整った顔が、とてつもなく情けない顔になってるよ、翔太…っ。
流石にその顔を目にした途端。
僕の怒りは力を失くし、急速にしぼんでいったのだった──。
[振り返る][様子を伺う]
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