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青蓮学園物語
8
 実際僕なんて、正直恋愛対象には向いてない……と自分でも思う。

 智兄や雅史の台詞じゃないけど、かなりメンドクサイタイプだと思うよ?


 一人っ子だから我侭だし、ネガティブで泣き虫で子供っぽくて。

 すぐに暴走するし、聞き分けも良い方ではない……と思う。


 翔太がこんな僕の事を好きなのも奇跡みたいなもんで、ちょうど翔太が弱ってるところに偶然僕が現れただけで。

 お互い寂しかったって言うのもあると思うんだよね?


 年上の恋人と釣り合う様にとずっと背伸びしていたにも関わらず、上手くいかなくなって自分の生き方を見失っていた翔太と。

 盲目的に甘えて良かった父親という存在を亡くしたばかりの僕と。


 お互い惹かれあうように新しい居場所を見つけて。

 翔太は僕が泣いて縋ったり甘えたりする度に、自分が必要とされていると実感するって言っていたから。

 それならと際限なく甘えてたら、今や周りからバカップル呼ばわりされる始末だけど、ね?


 こんな状況下でなければ、翔太との関係もきっとただの友達で終わったはずで。

 むしろ親しい友人関係すら築けなかった可能性だってあるのだ。

 それぐらい僕と翔太との間には共通点がなかった。


 クラスも部活も違う上に、翔太があの時如月さんにお願いしなければ部屋だって別々だったと思うから。

 運命ってあるんだなぁ……と、僕は少しだけ自分の幸運に感謝した。
 

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