青蓮学園物語
7
それが皮切りになって、それまで聞く側に回っていた翔太が反撃に出た。
「大体なぁ、何で俺がライバルなるかもしれへん奴に情報提供せなアカンの?
ハルのええとこお前に教えたる義理もないわ。
ほんなもんなぁ、好みなんて人それぞれやのに。
人から聞いて好きになるとか、その考えの時点で終わっとるわ」
本気になった翔太の喋りは留まる事を知らず、僕と眞鍋が口を挟めないままどんどん進む。
「それに同性愛ゆぅけどな、別にハルが男やから好きなんちゃうんやで?
たまたま運命感じた子が男やっただけやん?
理屈抜きで好きになってもぉたんやから、そんな些細な障害で自分の気持ち誤魔化したってしゃあないやろ?
もう俺は背伸びせぇへんって決めたんやから……。
欲しいもんは欲しいってちゃんと口にするし、邪魔もんはきっちり排除するつもりやで?」
そこまで一気に告げた後、眞鍋に対して翔太はにやりと挑戦的な笑みを浮かべた。
うぁあ、久しぶりに翔太のマシンガントークを耳にしたよ…っ。
その内容は、まさに赤面モノで。
感情的になっている所為か、普段直接言われているより何倍も気持ちが伝わってきて……当事者である僕は完全にノックアウトだった。
そこまで僕の事を好きだと言って貰えるのが純粋に嬉しくて。
胸に湧き上がる翔太への想いを抑えながら。
所謂コレが乙女化現象って奴なんだなぁ……と僕は少しだけずれた事を考えていた。
本気の台詞を聞いて、何も言えなくなった眞鍋に。
暫く様子を伺っていた翔太は、しゃあないなぁ……と呟いた後。
「ここまで関わったからには、最後まで相手したるわ。
ほんで?潔癖症の癖に、何で急に同性と付き合いたいと思ったん?
ハル諦めるんなら、ちっとぐらい協力したってもええよ?」
そう言って苦笑する翔太の表情は、先ほどまでとは違い先輩のソレに変わっていた。
だっ、だけどね?
諦めるも何も、まだ僕の事を好きになった訳でもないし。
それどころか眞鍋は未だに、僕のどこが良いのか理解すらしてないじゃないのかよ!?
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