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青蓮学園物語
4
 それに話逸れまくってて、半分忘れかけてたけど……。


『そ、それよりもっ。
 理由聞いてないけど、眞鍋が同性愛に目覚めたい事だけはわかったよ。
 ……でも、何で僕を好きになる必要があるの?』


 僕の台詞を聞いて翔太と眞鍋は、ハッと我に返ったらしい。

 今まで他愛もない話で盛り上がっていた二人の雰囲気が急に険悪になる。

 ……えぇ?二人とも忘れてたのか!?


「ホンマやわ。お前、ハルに下手に手ぇ出したら、どうなるかわかっとるんやろな?」

「誰も横取りするなんて言ってませんよ?
 そうじゃなくて相川さんが皆さんに愛されるポイントを、俺にも教えて下さいって言ってるんです」

「はぁ?ハルのマネっこなんてお前には無理やろ?
 タイプ違いすぎやんか?」


 王道まっしぐらな総受話じゃあるまいし、僕が皆に愛されてるって所を力いっぱい否定したかったけど。

 二人の間を漂う空気が重すぎて、気の弱い僕が口を挟める雰囲気ではなかった。


 しかし、僕の好かれる要素を知りたいって言うのは。

 眞鍋が尊敬する智兄や碧と親しくなる糸口が欲しいって事なのかな?


 確かに碧は表向き同性愛否定派だからか、歩さんに対する態度を見ても分かる様に仲良くしたいオーラを出して近づけば冷たい態度をとるし。


 逆に智兄は誰とでも当たり障りなく上手く合わせて会話するけど……。

 極々限られた一部の人にしか本性は見せないし、その人達にだって内面には絶対に踏み込ませない。


 言っちゃ悪いけど智兄を良い人だと思ってる奴らは、智兄からすれば取るに足らない人なんだろうなぁ?

 そう思うと眞鍋が智兄を尊敬してる様子は、なんだかとても不憫な気がしてきた。

 だけど今まで見てきた智兄の崇拝者達と一緒で、僕が必死になって否定してもきっと納得しないんだろうけどね?
 

[振り返る][様子を伺う]

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