青蓮学園物語
3
しかしその様子には全く気付かず、眞鍋は話を続ける。
「え?今更何言ってるんですか?
生徒会長の騎士団って有名ですよね?
円卓の騎士長のランスロットにあやかって、須藤さんが一部の人からジャックって呼ばれてるのも」
『……は?』
騎士団という言葉にも驚いたけど…っ。
ランスロットにあやかると何故ジャックって呼ばれるのか、そこのところを教えて欲しいよっ!?
「あー、ジャックは俺のプリンスの称号に対抗して出来たって噂もあるから、なんともよう言わんけど……」
『ランスロットってアーサー王に出てくる奴だよね?
知らなかったけど、もしかして名前がジャックなのかな?』
家にある原書の絵本で見た時は、確か【Sir Lancelot】としか書かれてなかったよっ!?
詳しい説明を求めるべく翔太を見上げると。
翔太は少し困った様な笑いを浮かべて簡単に説明してくれた。
「俺もよぉ知らんけどな、トランプに書かれとるクラブのJのモデルがランスロットらしいで?」
『えぇ、ジャックの4人どころか、顔だけ見せられても絵札の12人とも全く区別付かないよ!?』
それどころか、どれが右向いて、どれが左向いてるかもわからないよーーっ!?
「それなら俺が、詳しく説明しますよ。
確かスペードのキングがダビデ王で……」
そんな僕の様子に嬉々として眞鍋が申し出て来た。
……どうやら彼の得意分野だったらしい。
「アホかっ!ハルが混乱するから、これ以上話ややこしすんなやっ!!」
だけど始まってすぐに、翔太によって無常にも制止される。
確かにこのまま続けていたら、今朝の二の舞になりそうだったよ…っ。
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