青蓮学園物語
2
僕なりに眞鍋を分析している間も、会話は進んでいて。
「それに今年の洗礼が盛り上がらなかったのは、2年生の関心が薄かった所為もあったみたいですよ?」
「あー、せやなぁ。
普通はどの学年もA組の奴らが中心になるんやけど、うちのクラスちょっと異常やから……」
『異常って?』
翔太が苦虫を噛み潰したように告げた台詞に、僕はすかさず反応した。
たまに遊びに行くけど、親しい人以外と話す事がほとんどなかったからなぁ?
そんな僕に、翔太は一瞬躊躇してから口を開く。
「あー、ハルも気ぃ付いとるかもしれんけど、うちのクラス変な組織あんねん。
須藤のアホが実権握っとる奴」
うぁ、また須藤なのかーーーっ!?
同学年で出来れば関わりたくない奴ナンバーワンの座に君臨している大人びた顔を思い出す。
(全年齢対象では、もちろん智兄)
しかし、組織って何だろ?
南条がため息混じりに、須藤が生徒会で会計牛耳ってるって言ってたのも関係あるのかな?
でも影の秘密結社とかそういう感じの世界征服団体だったら、小学校の頃に既に智兄が結成してたからっ!!
はぁ…っ、須藤の場合は智兄と違って、直接僕に実害がないのが救いだよね?
大きくため息をついた僕の態度に。
翔太はどうやら知っていると誤解したらしく、そのまま会話を続けた。
「ホンマは南条助けたりたい気もするけど、下手に手ぇ出しても責任取れんしやなぁ……」
「確か2−Aの人しか入れないらしいですね?
テニス部の先輩が悔しそうにそう言ってました」
「せやねん、表向きっちゅうか目的が護衛やから……。
けどやっとる事は最低やと思うんやけどなぁ?」
『え?どういう事???』
どうやら眞鍋達下級生にも周知の事実らしい。
だけど転校して日の浅い僕からすれば、全然話が見えないんだけどっ!?
困惑する僕の顔を見て、翔太の表情は明確に後悔の色を浮かべた。
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