青蓮学園物語
上様の悩み
唖然とする僕達二人の様子も気に止めず、眞鍋が延々と弁論の様に自分の置かれている状況を話し出した。
まず今年の1年生は、同性愛に対する免疫が薄い事。
理由としては、今年の洗礼が例年に比べ盛り上がりに欠けた事が上げられるそうだ。
今年の1年生が不作だった……と言う訳ではなくて、ハンター側である2,3年生の問題らしい。
2,3年の洗礼対象者が個性的過ぎてファンが綺麗に分散している所為か、わざわざ新たに対象を乗り換えた人間が少なかったそうだ。
その上、入学当初から人気を博していた通称御三家は。
主席入学だった王子様は、人目も憚らず幼馴染を溺愛し、どう見ても他人が入り込める状況ではなくて。
眞鍋は元々潔癖症気味で、好きでもない奴にまとわり付かれるのが大嫌いと公言して周りを牽制し。
もう1人の若狭とかいう奴は典型的な女にだらしないタイプらしく、平日でも学園の近くで女性と一緒にいるのを度々目撃されている……そうだ。
あとは可愛らしいタイプの子達が3人ほど対象者に選ばれたらしいのだが、毒舌な眞鍋の独断と偏見交じりの解説によれば。
美少女にしか見えないあきちゃんや、ちっちゃくて庇護欲をそそる可愛らしい南条、日本人離れした美貌を持つキース先輩に匹敵するものは居ないらしい。
『眞鍋ってあきちゃんや南条の事、嫌いなんだと思ってた……』
「ちゃうって、こいつがイチイチ口出してくんのは、関心のある人らが自分のイメージ像から外れた時だけや」
「よくお分かりですね……」
って事は興味があるから、あきちゃんや南条に口うるさく言うって事なのかなぁ……?
でもイメージ通りじゃないからってイチイチ文句言われたら普通は腹立つよね?
結局その二人以外に対して何も言わないのは、残りの生徒会役員が眞鍋のイメージ内の行動しかとってないって事なのかな?
でも久我は絶対イメージとはかけ離れた行動とってると思うんだけどなぁ?
もしかして洗礼対象者にしか興味ないって事なのか?
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