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青蓮学園物語
4
 話の意味がわからなくて、困惑したまま翔太を見上げると。

 翔太は苦笑しながら、僕の頭を撫でて告げる。


「こいつなんか知らんけど、ずーっと勘違いしとんねん。
 俺と碧は別に付き合っとる訳でもないし、俺が一方的に片思いしとる訳でもないってゆっとるのに」

『……は?』

「一部の奴らにな、隠れ碧ファン代表みたいに思われとんねん、俺。
 まぁ、それも1学期までの話やけどな?
 未だにそんな事ゆっとるん、こいつぐらいやわ」


 何でも翔太が2年に進級と同時にA組に移動になった時。

 基本的に誰とでも上手く付き合える翔太は、概ね歓迎ムードで迎えられたらしい。

 但し、一部の人間を除いて。


 一人はあの須藤で。

 計画に狂いが生じたと言って、今と同じく何かある度に突っかかって来たそうだ。


 そしてもう一人が碧。

 どちらも目立つタイプだからお互い面識はあったものの、全く無関心でやり過ごしたらしい。

 その態度を面白がって翔太が何かとちょっかいを掛けているうちに、碧の方も慣れたのか、それともあきらめたのか。

 いつの間にか翔太の存在は受け入れられていたらしい。


 だけどあの碧が幼馴染のあきちゃん以外の人間を、傍に置くのはすごく珍しい事だったらしくて。

 翔太の碧への想いが通じただの、二人は付き合いだしただのと言う根も葉もない噂が流れたそうだ。


 暫く経って、結局その付き合いは友情の範囲内でしかないと周囲に認識されたものの。

 碧の鉄壁のガードを崩した先駆者として、碧の隠れファン達は翔太を英雄として褒め称えたそうだ。


「ちゅうか、幾ら碧が美人さんや言うたかって。
 あの頃彼女おったのに、何でそんな噂になるんか俺の方が知りたいわ」

『どう見てもそんな雰囲気じゃないよね……』


 と言うか、翔太と碧のカップリングなんて、今まで想像すらした事なかったよ!?

 改めて思い浮かべても、今更考え付かないよ…っ。

 あぁ…っ、初日に色々と話を聞いたのが先入観持った原因だよねぇ?と、僕は少しだけ反省した。
 

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