青蓮学園物語
救世主?それとも…
そんな僕の様子を不審そうに見つめ、無言で隣に居た楓が声をかけてきた。
「……春樹、碌な事考えてないだろ?」
『ぅえ!?なっ、ん、何でも…ないよ…っ』
急に話を振られた僕は、驚いて文字通り飛び上がった。
危ないっ、変な事口走らなくて良かったよ…っ!!
但し、奇声を上げた所為で無駄に注目は集めてしまった訳で。
焦りながらぐるりと教室内を見渡すと、さっきまで口論していた二人も僕を見つめていた。
話の邪魔をされたと思っているのか……眞鍋が僕を睨んでる様に見えるんですけどっ!?
整った顔をしている奴が真顔になるとちょっと怖い、と思いながら。
僕がこの場をどう乗り切ろうか頭をフル回転していると。
「あれ〜?ハルまだ居ったん?
俺ら雨でクラブ中止なったし、一緒に帰ろか??」
この場の空気にそぐわない、聞きなれた明るい声が2−Bの教室内に響き渡った。
『翔太ーーっ!!
うんうんっ、楓も一緒で良いかなぁ!?』
微妙な空気が流れるこの教室に、何事もなかったかの様に入ってきた翔太に僕は自分から駆け寄る。
うぁあああんっ、助かったよ…っ。
今日ほど翔太のマイペースぶりに救われたと思った事はないよっ!
もしも僕に尻尾が生えてたら、きっと今千切れそうなほど振ってるよーーっ。
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