青蓮学園物語
5
暫くその様子を興味深げに観察していた眞鍋だったが。
我に返ったのかゆっくりと口を開く。
「謝罪に来たんですよ。
今朝は俺の一方的な思い込みで、藤原さんに酷い言葉を投げつけてしまったので」
「お前の口先だけの謝罪なんか必要ない。
もう二度と楓に近づくなっ」
対する久我のとりつくしまもない態度に、教室内の空気は更に緊迫した。
久我の気持ちはわかるけど…っ。
そんな態度をとったら丸く収まるものも収拾つかなくなるよーーーーっ!?
「自分の非は素直に認める主義なんです。
人に言われたからといって形だけで来た訳ではないですよ?」
そんな久我に対して、冷静に切り返す眞鍋。
ふぅん、そう言えば皆、眞鍋は人にも自分にも厳しいタイプだって言ってたね?
その態度はどうみても年下には見えなくて、南条が眞鍋の事を怖がる気持ちもわかるかもしれない。
見た目に老けてるって訳じゃないけど……むしろ今年の洗礼対象者だと言うだけあって見目麗しい。
しかし美形率の高い学校だよねぇ?やっぱり男子校だからなのか?
でも小説みたいに全員が全員、同性愛に走る訳でもないのだ。
今日の昼間あった先輩達みたいに、女の子が好きって人の方が断然多い。
むしろ洗礼対象者以外で熱狂的なファンが居るのは、目の前に居る久我以外に知らないかも?
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