青蓮学園物語
そして放課後
そしてその日の放課後──。
はぁ…っ、なんて切り出したら良いんだろう?
クラスの皆が次々と教室を後にする中、僕は立ち上がることも出来ずに頭を抱えていた。
智兄にあんな言い方されてしまったら、僕が言い返せるわけもなく。
そろそろ授業が始まるから帰れ、と智兄に追い立てられる様にして教室に戻って来たんだけど。
昼休みが終わってからずっと、僕は上の空だった。
あぁ、嫌な予感がする。
だってあの智兄が、何かを企んでいて。
それも僕まで巻き込んで、積極的に行動しようとしているのだ。
あの言い方だと、僕に対して智兄が何か仕掛けてくる事はなくても。
逆に僕に命令して何かをさせる事はある……って事だよね?
言うこと聞かなかったら、今度は逆に僕が苛められる事になりそうだし。
せめて先に何をするかわかれば手の打ち様もあるんだけど……。
下手に聞いてしまったらもう、完全に共犯者として仕立て上げられそうだよ…っ。
そして今現在の僕に与えられた指令は、楓と智兄を二人きりで引き合わせる事、で。
上手く考えがまとまらないまま、休み時間の度に楓に話しかけようと思っても。
その隣にはずっと久我が、べったり張り付いていた。
[様子を伺う]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!