青蓮学園物語
9
どうやら普段仲のあまり良くないあきちゃんと南条は、眞鍋達に関する認識だけは意気投合するようで。
仕方なさそうに相槌を打つ碧や翔太相手に、話はエキサイトしていた。
その2人の話を総合すると。
眞鍋は自分にも人にも厳しいタイプで、自立していない奴や切磋琢磨を怠っている奴が大嫌いらしい。
イコール彼の中では、あきちゃんと南条は周りの人間に庇護されていると言う認識なんだろう。
この二人ですらそう思われるのなら、僕なんて──。
「ほんならハルは出来るだけ関わらん方がええなぁ?」
『うっ、僕も思った…っ』
他の4人も翔太の言葉に大きく頷く。
僕自身全く一人立ち出来てないとは感じているけど……。
こうも全員に納得されると、恥ずかしいとか不甲斐ないとかそんなレベルじゃないよね。
思い返してみれば雅史のスパルタ教育時代ですら性格が甘いといわれ続けていたんだから。
今や翔太をはじめとする周りの人達に完全に寄り掛かっている状態で。
いっその事開き直って、周囲に一人じゃ生きていけないアピールするとか?
ダメだっ、そんな事したら自分が嫌いになりそうだよ…っ。
必要以上に甘やかしてくれる翔太には悪いけど、やっぱり僕自身もっとしっかりしないといけないよね?
今はまだ子供っぽいで済んでるけど、これが大人になっても続いていたら……。
そう考えた途端、一番身近な大人である母の姿が脳裏に浮かんで、僕は少しだけ落ち込んだ。
[振り返る][様子を伺う]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!