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青蓮学園物語
2
 そんな僕の態度を見て、今度はあきちゃんがキレる。


「なんではるちゃんが謝るんだよ〜っ!
 何にも悪いことしてないのに、こんな奴に謝る必要ないんだからねっ!?」

「こんな奴って何だよ!?
 そもそも波多野には関係ないんだから、横から口出さないでよっ!!」

「関係なくないよっ!だってはるちゃんは僕の友達なんだから〜っ!!」


 僕が顔を出した事で、二人の口論は更に白熱した。


 えぇ、僕当事者じゃないの??

 何故かすっかり蚊帳の外に置かれて呆然と状況を見守るしかなかった。

 唯一平常通りだったあきちゃんまでこんな事態になるとは……。

 み、みんなカルシウム足りてないね? 


 人の事言えないけど、もうちょっと落ち着こうよ……と言いたいのは山々だけど、下手に口を出せば二人の怒りの矛先がコチラに向きそうで。

 すぐ傍できゃんきゃん騒ぐ2人を前にして、僕は何も出来ずに1人おろおろしていると。


「ああ゙ーーーもぉっ、うっさいんじゃボケがっ!
 えぇ加減二人とも黙らんとぶっ殺すぞっ!!」


「「『!!!』」」


 それまで僕の隣で黙って話を聞いていた翔太がぶち切れた。

 その怒声に驚いて無意識に後退ろうとする僕を、がっちりホールドした状態で翔太は続ける。


「授業まであんま時間ないんやから、うだうだ言ぅとらんとえぇ加減はっきりせぇよ。
 南条はハルに何の用やったん?」


 なんでこんな時に碧は居らんのや……とぼやく翔太に、慌てた様子で南条は口を開く。


「えっと、大きく分けると2つあって。
 1つは夏目さんの件で…っ、今結城が直談判に行ってるんだけどっ」


 ひぃ…っ、出たよ、智兄…っ。

 その一言で翔太の気配が更に硬化した。

 今度は一体何なんだよーーっ!?
 

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