青蓮学園物語
一難去ってまた一難?
始業10分前の予鈴のチャイムで目を覚ました僕は、一緒にうとうとしていたらしい翔太と共に急いで教室に戻る。
今日は翔太達と一緒にお昼をとる約束をしたから……碧にはその時謝れば良いとして、とりあえずはうちの委員長様だ。
昨日蓮見先生にこれ以上拗らすなって言われてたのに、別件で気まずくなってどうするんだよ僕…っ。
なんとしても優には、朝のSHR前に謝らなくてはっ。
僕達が2年生の教室のある階に差し掛かったところで、いつもと何か雰囲気が違う事に気付いた。
「……あいつら、またやっとる」
ぼそりと呟いた翔太の視線の先にある、人だかりの向こうから聞こえてきた声は……。
『あきちゃんと……南条?』
「それも2−Bの教室前やわ。
はぁ…っ、やるなら目立たんように自分らの教室ん中でやれっちゅうのに」
野次馬の人垣を掻き分け、中心に居るあきちゃん達に駆け寄ると、
「あーーっ、ぎりぎりまでどこ言ってたんだよ、相川っ!!」
何故か半泣きになった南条に詰め寄られる始末で。
いやいや、泣きそうになるぐらいなら、最初から揉めなければ良いんじゃないのか?
……なんて事、朝から友人と一触即発な事態に発展したばかりの僕には言う資格もなくて。
『ごっ、ごめんなさい…っ』
そんな風に相手に強く言われてしまうと、反論できなくなるタイプの僕は、つい反射的に謝罪した。
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