青蓮学園物語
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その後の3人からの説明によると、ここの学園祭は正式には青蓮祭と言って。
9月下旬に行われる高等部のソレと重ならないように、中等部は毎年11月2週の日曜に体育祭、その一週間後の土日に文化祭が行われるそうだ。
全体を4色に分けて総合得点を争うのだが、昨日担任から聞いたようにクラス毎の得点についても表彰があるらしい。
まぁ、ここまではよくある話なのだが。
「んで、その色っちゅうのがな、青・黒・白・赤の4色で、俺ら2−Aは例年黒って決まっとるから──」
『はぁ?ちょっと待ってよ!?』
えぇえ?色分けに黒って何だよ?!
黒チームとか腹黒の集まりっぽくて気分的に嫌なんですけどっ?
急に話を中断させた僕を、不思議そうに3人が見つめる。
ほんと慣れって怖いよね?皆はどうして違和感を感じないんだろ…っ???
『普通4色に分かれるんだったら、黒じゃなくて黄色か緑じゃないの?』
「あー、黄色は中立カラーやねん。現生徒会とか実行委員がつけるんよね?」
後で知ったのだが、毎年1学期の各種委員を決める時に同時に青蓮祭実行委員も選出されるらしくて。
各クラス2名づつ集められて、青蓮祭の運営を取り仕切るそうだ。
企画の漏洩・不正防止の為にクラスが所属するチームへの貢献は一切出来ないらしい。
それを聞いた時、なんだか仲間はずれみたいで少し可哀想だと僕は思ったのだが……。
大きな行事を自分達の力で盛り立てていくと言う自負からなのか、はたまた半年以上をかけて準備するうちに実行委員同士の連帯感が生まれる所為か。
委員のほとんどは立候補で、自分が中立である事を誇らしく思う人の方が多いそうだ。
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