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青蓮学園物語
5
 考えても全然わからなくて、僕は思い切って翔太に問い掛けてみる。


『翔太の悩みって何?僕と気まずくなった事じゃないの?』

「あー、もちろんそれもやけど。
 前からずっと引き摺っとった事もひっくるめてやなぁ……」


 そこで一度言葉を切って、翔太は僕を抱きしめ直した。


「普段あんま表に出さんハルの本音聞けたから……。
 俺だけが焦っとるんとちゃうんやなぁって思ったら、すうっと気ぃ楽になったんよねぇ?」

『……僕がヤキモチ焼いたから?』

「せやで?俺だけ独占欲全開で、一方的にハルの事縛りつけとるんかなぁ?って今まで思っとったから」


 アルコール入るとハルは素直になるんやろ?と、顔を覗き込む翔太に。

 まだまだ僕の愛情表現が足りない事を悟った。


『大好きだよ……?』

「うん、知っとるよ?」


 そう言って、そっと顔を近づけてくる翔太に。

 すっかりキスのおねだりの台詞と化した所為で、なかなか口に出来ない愛の言葉がいけないんだと、心の中で呟きながら。


 僕はゆっくりと瞳を閉じた──。

 

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