青蓮学園物語
4
動揺する僕の態度がおかしかったのか、翔太は更に笑顔になった。
『ごっ、ごめんなさい…っ』
「せやから、別に怒っとらんし。
むしろ俺の悩みが解消されて、夏目さんに感謝したいぐらいなんやで?」
そう言って笑みを深める翔太に、僕は首を傾げる。
えーっと、僕が知っている翔太の悩みと言えば。
昨日僕とぎくしゃくしていた事しか思い当たらないんだけど……。
翔太と僕が付き合っているのに、何故か智兄との噂が先行していて。
クラスメイトに勝ち目がないからもう諦めたほうが良いよ?って言われた事にショックを受けたんだよね?
それを無理矢理聞き出した僕も、うまく慰めれなくてずっと気まずい状態で。
タイムリミットである翔太が点呼に行く時間になったから、僕も智兄の野望を阻止しに寮監室に向う事を告げたら。
それを聞いた翔太が、更に不機嫌な状態で部屋を出ていって。
僕に庇われるのがそんなに嫌だったのだろうかと思いながら、寮監室で迎えに来るのを待ってたんだよね。
そして、翔太が寮監室に日誌を提出しに来て──。
『……?』
えぇっと、何が原因で悩み解消されたのか、全くわからないんですけどっ!?
もしかして僕が泣いてる間に、智兄とアイコンタクトでもしてたのか?
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