青蓮学園物語
3
そんな事をぐるぐると考えていると。
いつの間にか起き上がっていた翔太にゆるく抱きしめられる。
「昨日の事は、なぁんもハル悪ないやろ?
……むしろ俺は嬉しかったぐらいやし」
そう言って唇を重ねてくる翔太に。
僕は抱き寄せられるままに体を預け、言葉の意味を考える。
部屋に戻ってくるまでの記憶は全部残っているから……泣いて困らせた自覚はあるんですけど…っ。
確かにアルコール摂取したのは僕の意思でないとしても。
『ん…っ、嬉しかったってどう言う意味?
僕、部屋帰ってから何かしたの??』
軽く唇が離れた時を狙って、僕は問い掛ける。
もしかして僕の記憶が欠けている部分に、翔太を喜ばせる事件でもあったのか!?
自分の知らない何かがあるのも嫌で。
誤魔化されないようにじぃっと顔色を伺っていると、翔太が苦笑しながら言葉を紡ぐ。
「帰って即行ハルは布団ダイブしたやん?そうやなくて……」
『……??』
「確かにちっとは困惑した部分もあったけど……。
せやけどな、ハルに涙目で翔太は僕のなの!って縋り付かれて、俺がヤな気分になる訳がないやん?」
何故か嬉しそうな翔太とは対照的に、僕は真っ青になる。
うぁ…っ、そうだった。
アルコールが入ると感情がストレートになる所為で、昨日は妙に独占欲が高まっていて。
勝手にヤキモチ焼いて、僕以外の人からあまり好かれて欲しくないって思ったんだよね……。
僕以外の人を好きになったら嫌だ、とか。
僕のどこが好きなのか教えて、とか。
浮気しない証拠をみせろ、とか問い詰めた記憶があるんですけどっ!?
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