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青蓮学園物語
嵐の朝
 軽く意識が浮上した時に聞こえた、窓を叩く激しい雨音によって。

 すっかり覚醒した僕は、ゆっくりと瞼をあける。


 うあっ、ビックリした…っ!

 目を開けるなり飛び込んできた翔太のどアップに、僕は人知れず動揺する。

 驚きで叫ばなかった自分自身を褒めてやりたいよ…っ。


 いつも僕の方が後に起きる所為で、翔太の寝顔なんて数えるほどしか見たこと無くて。

 考えてみれば翔太の顔をじっくり見る機会って以外と少ないから……。

 この機会にじっくり観賞してみる事にする。

 だって起きてる時にじっと見つめたりなんかしたら、間違いなくキスされるからね?


 うーん、睫毛長いよね……?

 鼻筋も通っているし、やっぱりモテるだけあって眠っていても格好良い。

 起きていると関西弁のイメージが強いから、どうしてもそっちに意識をとられがちなんだよねぇ?

 だけどこうして改めて見ると、王子と呼ばれるのも十分頷けるんだけどなぁ?


 心行くまで翔太の寝顔を堪能した後、僕は昨日の出来事を思い返す。

 あー、まずい…っ、最後の方の記憶がおぼろげだよっ。

 基本的に酔っ払って暴走しても、しっかり記憶は残っているタイプなのに。

 テストの採点で疲れて帰ってきた如月さんに寮監室を追い出された後、翔太と部屋に戻った処までは覚えているんだけど。

 感情に任せて泣き喚いた所為で、酔いが回ったのかもしれないなぁ?と他人事のように思った。


 うーん、今何時だろ……?

 雨の所為かまだ薄暗い室内を見渡した後、枕元の目覚まし時計を確認するとまだ5時半で。

 起きるには少し早い時間だったけど、喉の渇きを感じてそっと翔太の腕から抜け出そうとすると。 


「ん……ハル起きたんか?」


 努力の甲斐も虚しく、朝に強い翔太がぱちりと目を覚ました。
 

[様子を伺う]

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あきゅろす。
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