青蓮学園物語
食堂と言う名の…
3人に案内された寮の食堂は、想像以上に広かった。
座席は全部で300以上あるらしい。
明るい照明に白いテーブルクロスが映えていて、一面ガラス張りの窓からは街が一望できた。
『結婚式が出来そうだね…?』
「男子校で結婚式はちょっと頂けないな…」
一番傍にいた結城がそう言ってため息をついた。
「晶あたりがそれを聞いたら面白がって企画しそうで怖い」
そう言って身震いする。
「え〜〜?なんか2人で僕の悪口言ってなかった〜〜〜???」
「ちっ、地獄耳めっ」
離れたところからの波多野の突っ込みに忌々しそうに結城は答えた。
「碧ちゃん、僕にだけ冷たいしなぁ?ほんとなんでだろ?」
そう言って波多野は小首を傾げた。
そんな仕草もかなり似合っている。
「そう言いながらホンマはめっちゃ仲良い癖に。ハル、ちゃんとご飯喰ったらあとで兄ちゃんがデザート買うたるからなぁ〜♪」
ハッ!?いつの間にか翔太の兄モードスイッチが入っていた。
これはアレですね。
正しい弟モードとしては甘えるべきですね?
とりあえずあまり人に見られると恥ずかしいので。
近くに人が居ないのを確認してから、目をウルウルさせて翔太を上目遣いで見上げた。
父直伝おねだりポーズ★ミ
『お兄ちゃn「ハル〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!もぉお〜〜〜そんな可愛い顔してっ!!!そんな目で他の奴見たらゆるさんからなぁっ?」』
ゲホゲホっ。
喋ろうとした瞬間に翔太にタックルされてよろける。
そして、そのまま力いっぱいハグされた。苦ーーしーーいーーーー!!
僕は半分白目を向いて、すがるように他の二人に目を向ける。
波多野はお腹を抱えて爆笑してた。使えねぇぇぇぇ!!
諦めて隣の結城を見ると……目が合った途端、視線を逸らされた。
ええぇ、何故っ!?
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