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青蓮学園物語
2
 
「学祭関係で事務局から色々と打診があってね?
 いつでも暇そうな誰かさんと違って、これでも結構忙しいんだよ」

『あぁ……そう言えば智兄ってキングだっけ?
 確か正式名称はMr.青蓮中等部とか聞いたような……』


 それに選ばれると学園内外での公式行事の度に呼び出されて、学園の顔としてイベントに強制参加させられるらしい。


「そそ。今年は面子が揃ってるから3年連続は厳しいだろうけど。
 ディフェンディング・チャンピオンとしては何らかのパフォーマンスを要求されるんだよね?」


 正直智兄もメンドクサイのだろう、と思った。

 ポーカーフェイスは崩れてないけど、一瞬眉間に皺がよったからわかる。

 智兄は何でも卒なくこなすからあまり周囲に気付かれないけど、意外と興味のない事はやりたがらないんだよねぇ?

 小学校の頃は何かあると気分転換に苛められてたから、そう言うのは自然と感じ取れるようになったのだ。


『あーっ、もしかして事務局って今会議してる奴のこと?もう終わったの?』

「何、波多野か久我でも待ってるのか?
 俺は先に抜け出して来たけど、会議自体も多分そろそろ終わるんじゃないかなぁ?」


 前生徒会役員も学祭が終わるまでは、引継ぎの関係で何だかんだと忙しいみたいで。
 
 そう言えばクラスの出し物の方にも久我の名前があったけど。

 王子様役だとか言ってたけど……稽古とか打ち合わせする時間あるのか?

 確かクラブの方も新人戦で忙しくなるっていってたはずなのに。


 まさか台本だけ渡されて、いきなりリハーサルして本番とか言わないよね!?

 そんなアドリブでやれみたいなのは、絶対僕には荷が重過ぎるよ…っ。

 緊張すると暴走する気があるのに、ほんとどうなっても知らないよ!?


 最初に僕を推薦した奴は一体誰なんだよーーーっ?と、心の中で絶叫していると。



「しかし、またユニークな浮気相手だなぁ?
 春樹の周りは毛色の変わった奴が多すぎる……」


 智兄の関心が、それまで他人事の様に無言で成り行きを見守っていた楓に向かった。
 

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