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青蓮学園物語
9
 楓の予期しない行動に僕は固まる。

 こんな風に触れてくるタイプじゃないだろーーっ!

 今までスキンシップ王の翔太や僕の事を犬猫と勘違いしてる駆さん、そして人前でワザとやってる気がする智兄ぐらいしか僕の髪に触れてくる奴は居なかった。

 寧ろ楓は他人との接触は完全に嫌がるタイプなのに。


 えっ、でも急に何で…っ?

 いつもと違う雰囲気の楓に僕はドキドキする。


 僕より小さくて華奢な印象のある楓だけど……はにかみながら少し困った様に上目遣いされると。

 可愛いもの好きな僕からすれば、ぎゅーって抱きしめたくなるんですけどっ!?

 たとえオタクファッションでも久我がはまるのがわかる気がするよーーーっ!


 真剣な顔でマロンパイをぐちゃぐちゃにする僕が格好よかったとか……それは絶対ないか。
 
 楓の指が僕の髪に絡まり、2、3回上下したところで。



「春樹……髪にまで飛びまくってるぞ、パイの粉……」

『はぁっ!?』


 うぁ…っ、そんなオチなのか!?

 暴走して抱きしめたり、変なこと口走らなくてよかったよーっ!

 そんな事してたら楓に危険人物認定されて、絶対縁切られるよっ!?



 恥ずかしい勘違いで真っ赤になりながらも、ほっと胸を撫で下ろしたところで。


「白昼堂々とこんなとこで浮気とは、春樹もなかなかやるようになったね〜?」


 僕の今一番逢いたくない人が、悪魔の笑みを浮かべて現れた。
 

[振り返る][様子を伺う]

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あきゅろす。
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