青蓮学園物語
2
無遠慮に浴びせられる視線に、楓は小さくチッと舌打ちした後、僕にしか聞こえない声で問い掛けて来た。
「居心地悪いから早くしろっ。んで、何なんだよ?」
『あ、えっとっ、ゴメっ、そのっ』
楓に併せて僕もトーンダウンするものの、こんな状態で切り出して良いのかわからずに言い澱む。
「何だよ、はっきりしないならもう行くぞ?」
低い声で脅すように言う楓に僕はさらに慌てた。
楓っ、ホント気が短すぎるからっ!!
良く耐えれるよなぁ…?
普段から楓にこんな扱いを受けている久我を、少しだけ尊敬するよ…っ。
ホント愛って偉大だな、とボンヤリ思ったところで僕は我に返る。
『あっ、その、楓……お願いが…っ』
これ以上黙ってたら確実にこの場に放置されそうで、僕は慌てて言葉を探す。
言っても言わなくてもキレるなら、ダメ元で言った方が良いよね?!
「………何?」
うぁーん、既に口数が少ないよーーっ!
もしかしてもう手遅れだったのか!?
だけど今更なんでもないなんて言える空気じゃなくて、僕は必死で楓を拝み倒した。
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