青蓮学園物語
13
思い返してみれば、先ほど蓮見先生は怒りの直接の原因はわかってるって言ってたよね?
今回は一体何をしたんだよー!!と、すでにココには居ない担任に向かって心の中で叫ぶ。
流石に試験期間中はクラブ活動禁止だから……オカ研の活動もなかったはずなのに。
『完璧八つ当たりじゃないか…っ』
「いや、正当な怒りだろ?
何度名前呼ばれても、春樹は何の反応もなかったし」
夢現(うつつ)に聞いてたから、詳しい状況はわからないと言う楓の台詞に。
それなら何で教えてくれなかったんだよ!と憤りを感じる僕は我が侭なのか!?
「まぁ、そんな事より……終わるまでどこで時間潰す?
会議室の近くだと悪目立ちするし、他に絶対通るところと言えば下駄箱かなぁ?」
『流石、楓だね?……隠密行動得意そうだっ』
「別に隠密じゃねーよ。
暇そうに特別棟の廊下でずっと待ってたら、普通に目立つだろ?
それに会議参加者がぞろぞろ出てくる前で、謝罪なんかしたら余計拗れるだろーが」
そんなものなのか……。
みんなが見てる前で謝ったほうが、優も無視出来ないだろうと思った自分の浅はかな考えを恥じ入る。
でも確かにそうだよね、もし優が簡単に許してくれたとしても。
その様子を偶然見た人達経由で、学園中に尾ひれの付いた噂を流されるのがオチだ。
『それじゃあ天気も良いし……売店経由でおやつ仕入れてから、玄関前のベンチに座って待とう♪』
確か新作のデザートで、まだ食べてない奴があったんだよね?
提案すると同時に笑顔になった僕を見て、楓は呆れた様にため息をついた。
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