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青蓮学園物語
12
 本来なら試験も終わり、晴れて翔太と思う存分愛を育む予定だったのに。

 何でこんな事になったんだろう……と僕は肩を落とす。

 懸念材料はひとつも片付いてないのに、問題ばかりが増えてくよーーっ!!


 この学園に来てからと言うもの、心休まる暇があっただろうか?

 うぅ、天敵の智兄と再会した時点でアウトだよねぇ……。

 まぁ今回の件は自分自身に非があるのだけど。



 めそめそしててもしょうがないと割り切り、さてどうやって時間を潰すかなぁ?と思いながら顔を上げると。

 すぐ近くの席から視線を感じた。


『あれ?楓どうしたの?まだ帰らないの?』


 いつもなら授業が終わればすぐに寮に戻る楓が、今日は何故かまだ教室に残っていた。


「あー、俺も一緒に謝りに行こうかなって。
 俺も話聞いてなかったし、それに春樹一人で行ったら逆に拗れそうだからな……?」


 優の場合、たとえ怒っていたとしても根がまじめだから職務放棄とかはないらしいのだが。

 不機嫌オーラが背中辺りからばしばし出ていて、下手に近付くととばっちり受けそうな気配で。

 周囲が腫れ物を扱うように慎重な態度をとると、逆にそれがまた優の怒りを買うという悪循環を繰り返すらしい。


「前回は確か1週間ぐらい続いたかなぁ?
 後で聞いたら、寒い冬に霊の仕業だと騒ぎたてる担任に、真夜中呼び出されて……。
 3日ほど華蓮院の墓地で墓荒らし対策して、風邪ひいたのが直接の原因らしい」


 オカ研も大変だ、と呟く楓の台詞に僕は心の底から同意した。
 

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