青蓮学園物語
11
心配そうに見つめてくる翔太に、何と言って良いのかわからず僕は黙り込む。
だって流石に、翔太には関係ないからそっとしといて、なんて言う訳にはいかないもんね?!
そんな僕の様子を見て、翔太は埒が明かないと思ったのか今度は蓮見先生に尋ねる。
「大ちゃんは何があったんか知っとるんやろ?」
「あ?あー、そりゃ俺も当事者みたいなもんだからな。
んじゃ俺は会議行って来るけど、頼むからこれ以上話拗らすなよ〜?」
そう告げて去っていく担任を見送り、僕は絶望的な気分になった。
なんで何でもないって言ってくれないんだよーーーっ!!
そんな言い方したら、普通は──。
「何があったんか知らんけど、俺には言いたくないんか、ハル?」
間違いなく、そう受けとるよね……?
想像通りの展開に僕は肩を落とす。
『えっと……、言いたくないと言うか……。
そのっ、今日…は、自分の力だけで対処しようかなぁって……』
言葉を選びながらそう告げると、翔太は一瞬悲しそうな顔をした後。
「ほんなら帰ったら結果だけでも教えてな?
今日はクラブサボる予定やったけど、ハルも用事ありそうやし、それやったら出てくるわ」
『あ、うんうん、帰ったら…っ、ちゃんと話すから。
ほんとゴメンなさい…っ』
なんだか申し訳なくて、必死で謝罪の言葉を口にする。
翔太はそんな僕の頭をくしゃりと大きくひと撫でした後、僕達の教室から出て行った。
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