青蓮学園物語
8
パニックになる僕に、すっかり存在を忘れかけていた担任が声を掛ける。
「うちの学祭は、投票で上位3クラスには賞金出るからな?
見目の良い久我と話題性でお前が選ばれるのは、当然の流れなんだがなぁ……」
先生に少しだけ同情の目を向けられ、僕は考える。
『で、でもっ。僕より女装似合いそうな奴が他に居るじゃないですかっ!?
何で僕にしか推薦ないんですか?』
「あ?そりゃ、女装に比重置いてないからだろ?」
えぇ?劇で女装に比重置かなかったら何に置くんだよーー!?
僕の謎は更に深まっていく。
考え込む僕に蓮見先生は更に追い討ちを掛ける。
「そんな事よりも、相川……数学の試験どうだったんだ?」
「ぅ゙っ」
「その様子じゃ、こちらも何か対応考えないといけないみたいだな……。
とりあえずお前は、明日までに金子にちゃんと謝っとけよ?
そうじゃないと絶対俺が八つ当たりされる」
そうでなくても悩みは尽きないのに、また問題が増えたよーっ。
試験はもう完全に諦めるとしても。
現時点での最重要課題は、優と仲直りする事だった。
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