青蓮学園物語
3
気になることはと言えば。
例の衣替えの日の後は散々だった。
情報通の優曰く、翔太と僕とが付き合ってるという噂は、お昼休みまでには全校生徒に知れ渡ったらしい。
翔太が先に手を打ったらしくて、直接僕に何か言ってくる奴はいなかったけど。
遠巻きに視線を感じながら僕はその日を過ごした。
そして放課後早速捕まった智兄には、二人が最後までヤってるなんて聞いてないと尋問され。
僕達の関係が噂先行だと判った途端。
「そりゃいくら佐藤でも、おこちゃま春樹相手じゃ立つ訳ないよな?」
などと失礼な台詞をぶつけられ。
翔太のデリケートな問題なのに、勝手に答える訳にもいかないなぁ?と思って黙りこむ僕に。
智兄は何をどう勘違いしたのか。
「お前らがちゃんと仲直りしたのなら、今後は普段通りいかせてもらうつもりだったけど。
根本的には未解決っぽいから……一緒に佐藤陥落させる方法考えてやるよ?」
などと全開の笑顔で告げられた。
滅多にお目にかからないであろうその笑顔に。
僕が智兄のファンなら、絶対目がハートになって惚れ直すところだろうけど。
僕達の状況を面白がってるとしか思えない智兄の態度は。
その台詞は悪魔のささやきにしか聞こえず、笑顔だって人を騙すための常套手段にしか見えないんだけどっ!?
悪魔との契約の代償は普通は魂だけど、この場合はなんだろう?
手駒として何かある毎に智兄に呼び出されたりして?と考えて、その状況は今とあまり変わらない事に気付く。
そっか、すでに僕は智兄の暇潰しのおもちゃ扱いだから……その延長でしかないのか?
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