青蓮学園物語
2
幸か不幸か試験の最後の科目が苦手な数学で。
普段使わない頭をフル回転した僕は、その後のHRは抜け殻状態だった。
黒板の前ではクラス委員の優が、何か議題を進めているけど……。
放課後絶対に現れる翔太に対して何と言い訳しようか考えるのに必死で、僕の耳には全く入らなかった。
はぁ…っ、周りのみんなは頭良いから僕の苦悩なんて理解できないんだろうなぁ……?
智兄は3年で1,2を争う秀才だし、碧とあきちゃんも二人で2年のトップ争いしてるらしいし、翔太はやれば出来る子タイプだし。
このクラスの友人だってそうだ。
暗算段持ちの久我は言うに及ばず、何故か学年で10番以内に入ってるにも関わらずB組にいる優。
そして……。
ざわめく教室の中でも全く気にせずに、うつぶせになって眠っている隣の席の楓に目をやる。
ホントは出来るのに、適当に点数を調整してるように見える楓が一番胡散臭い。
僕がわからないところを質問すれば、ちゃんと判りやすく説明してくれるのに。
何故か総合成績はB組でも真ん中らへんらしいのだ。
オタクファッションの理由も聞いてないし、久我との関係もすごく興味あるんだよねぇ……?
いつか絶対楓の秘密を掴んでやる、と僕は改めて決意した。
[振り返る][様子を伺う]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!