青蓮学園物語
5
僕達の部屋は8Fだった。
今はエレベータで上がってきたが、基本的に3台あるエレベータは大きな荷物を運ぶ時や緊急用で。
通常は中央にあるエスカレーターか階段を使わないといけないらしい。
「んじゃ、何かあれば寮監室か隣の管理事務室に来い」
管理事務室には昼間は管理人と二人の事務員が常駐していて、宅急便や郵便物もそこで預かってもらえるそうだ。
『はい、どうもありがとうございました』
「まぁ他はルームメイトの佐藤に案内してもらったらいい。
食堂も一応開いてるから、後で連れて行ってもらったらどうだ?」
お勧めはカツカレーな〜、と笑いながら如月さんは去って行った。
早速渡された鍵でドアを開け、中に入ってみると部屋は意外と片付いていた。
友達の家に遊びに来たような感覚で、勝手がわからないのであまり何も触らないようにして窓際に近づく。
『ほんとだ、見晴らしいいや』
窓からは高層階な事もあってか、市街地が一望できた。
これなら夜景もさぞかし綺麗だろう。
とりあえず荷物を床に置き、窓を全開にしてその場に座りこむ。
ふと腕時計を見るとすでに16時を回っていた。
『朝10時に出発したのになぁ……?』
ほぼ半日移動で潰れたらしい。
そう思うと僕は一気に疲れを感じたような気がした。
[振り返る][様子を伺う]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!